巷で「1日当たり35万円を支払うだなんて!」とニュースがありましたね。この記事は「一か月35万円」の場合にフリーランスの手取りはいくらになるのだろう?を簡単に計算したものになります。
日当35万円とか、僕が欲しいわ
はじめに
モデル
まず、計算するためのモデルを作ってあげます。
- 年齢は35歳
- 独身
- 横浜市に在住
- 個人事業主
計算にあたっての前提条件
計算を簡略化するために、以下の前提を設けて計算をしています。
- 35万円には、消費税が含まれているものとします。
- 税金はざっくりと。1000円未満は切り上げます。
- 確定申告は青色申告であり、電子申請で行います。
計算結果
売上・手取の計算結果
月 | 年額 | |
売上(税引き前) | 350,000 | 4,200,000 |
手取(各種税金を引いた後の額) | 224,000 | 2,708,000 |
年商420万円、手取年収は270万円ほどになりそうな計算になりますかね。
月の手取りは224,000円ほどになる計算です。
売上・手取の計算結果詳細
次の表は、手取を求めるためにどういった支出が生じていたかの内訳を現したものです。基本的には税金が大半を占めています。
一か月の収入 | 一か月の支出 | 備考 | |
売上 | 350,000 | 内:消費税31,818円 | |
所得税 | 13,000 | https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm | |
国民年金 | 17,000 | 令和3年の納付料(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-02.html) | |
国民健康保険 | 22,000 | 横浜市の健康保険料計算シートから計算 (https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/kokuho/hokenryo/r2hokennryouritu.html) | |
住民税 | 21,000 | (課税所得*0.1 + 均等割分) / 12 (https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/zeikin/kojin-shiminzei-kenminzei/kojin-shiminzei-shosai/kojin.html) | |
個人事業税 | 0 | (課税所得 – 2,900,000) * 0.05(課税所得 < 290万円の場合は課税なし) 神奈川県・個人事業税(https://www.pref.kanagawa.jp/zei/kenzei/a001/b004/index.html#3) | |
諸経費 | 53,000 | 売上の15%。交通費などを含む | |
合計 | 350,000 | 126,000 | |
手取 | 224,000 |
課税所得額は「2,434,000円」です。計算方法は「年間売上 – 基礎控除 – 青色申告特別控除 – 年間の諸経費」で求めています。
所得 | 控除額 | |
年間売上 | 4,200,000 | |
基礎控除 | 480,000 | |
青色申告特別控除 | 650,000 | |
年間の諸経費 | 636,000 | |
課税所得 | 2,434,000 |
課税所得を基に、所得税・住民税が決まります。(住宅ローンなども、この課税所得を基準にしています)
計算結果を踏まえて
会社員の年収75%を手取と考えた場合、手取年収としては、おおよそ会社員の年収340万円と同じくらいというところでしょうか。(月収28万円少々・ボーナス無し)
とはいえ、フリーランスの場合に付きまとう、いくつかの保障問題があります。今回のモデルでは、貯蓄や積立についてまるで考慮していません。したがって、
- 廃業時の収入は無し
- 老後の収入が乏しい
- 働けなくなった時の保障が乏しい
- ローンはあまり組めないのではないでしょうか。(個人の感想です)
これらの問題は、「小規模企業共済」「国民年金基金」「iDeCo」「積立NISA」「就業不能保険」などへの加入などを行うことで、ある程度解消することができます。
ただ、その分、月の支払額が上昇するため手取りは減少していきます。したがって、自身の単価を上昇させつつ、これらの共済やNISAなどの仕組みを使っていくことも考える必要がありますね。
最後に
瞬間的な手取は会社員と大差なくても、将来を見越すとこの月単価では厳しさを感じますね。単品で個人事業を続けるには、やや見通しが悪い額面ではないかなと感じます。
今回は35万円/月をベースに計算しましたが、月単価を変えて手取を計算したら、それぞれどれくらいの手取りになるのかが気になりました。
課税所得に応じて、所得税率および控除額などが変わりますし、売上が1000万を超えると消費税も別で計算しないといけないので、一覧にしようと思うと大変な気はします。
が単純に面白そうなので近いうちに作ってみようかと思います。
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