「会社員の2倍3倍稼がないとフリーランスはアカン」なんてことを時折耳にするんですが、実際数値的にはどうなんでしょね?ということで、興味半分で単純なモデルつくって計算・比較してみました。
はじめに
想定する読者
- 枕の言葉(会社員の2倍3倍)に興味がある人
- フリーランスの手取りに興味ある人
まぁ、興味なかったらこんなページ見ないですよね。
モデルの前提
以下のような人物を仮定したモデルで計算してます。
フリーランスのモデル
- 男性
- 独身
- 35歳
- 神奈川県横浜市在住
- 個人事業主として、ソフトウェア開発請負業を営む
- 確定申告は電子申告
- 消費税免税事業者
会社員のモデル
性別、年齢、家族構成や居住地は個人事業主と同じ。
両モデルで共通的な前提
- 月間の収入は「50万円」(年商・年収が600万円)
- 保険等の各種控除は単純化のため無視してます。
- 節税テクニック等も使用しません。
比較結果
最初に結論
フリーランスの方が「月7万円弱」手取額が少なくなる計算です。
フリーランス | 会 社 員 | 差 額 | |
手取の月収 | 330,000円 | 398,000円 | △68,000 |
手取の年収 | 3,960,000円 | 4,776,000円 | △816,000 |
というわけで、
- 現時点で年収が600万円ある
- フリーランスになると月50万円程度の売上見込である
こんな条件であるのなら、金銭面で考えても進んでとるべき手段とは言えないですね。
この後、計算方法について書いていきます。けれど、計算が並ぶだけなので、興味ない方はおまけ見てブラウザ閉じてくれればいいと思います。
手取の計算方法
フリーランス
下表から計算しています。所得税や住民税等のおおよその額面を出すために、基本的な控除を表に加えています。
項目 | 月 | 年 | コメント |
事業収入 | 500,000 | 6,000,000 | |
諸経費(月収12%) | △50,000 | △600,000 | 税金計算 |
社会保険料控除 | △779,240 | 税金計算 | |
基礎控除 | △480,000 | 税金計算 | |
青色申告特別控除 | △650,000 | 税金計算 | |
課税所得 | 3,490,760 | 事業収入から経費・控除を引いたもの | |
所得税 | △22,554 | △270,652 | (課税所得 * 0.2) – 427,500円 |
住民税 | △29,679 | △356,149 | 横浜市ホームページにて計算式参照 |
個人事業税 | △2,462 | △29,538 | (課税所得 – 290万円) * 0.05 |
国民年金 | △16,540 | △198,480 | 令和2年分の支払額 |
国民健康保険 | △48,087 | △577,040 | 横浜市:国民健康保険料試算シートより算出 |
手取 | 330,000 | 3,960,000 | 1,000円未満を切り捨て |
計算自体は、課税所得を基に計算した各種税金や健康保険などの月額を、月の事業収入から引いているだけの単純なものになってます。
会社員
会社員の方もフリーランスで行ったように計算しています。
項目 | 月 | 年 | コメント |
給与 | 500,000 | 6,000,000 | |
給与所得 | 4,360,000 | 給与所得控除、所得税法別表5の8 | |
社会保険料控除 | △660,000 | 税金計算 | |
基礎控除 | △480,000 | 税金計算 | |
課税所得 | 3,220,000 | 給与所得から各種控除を引いたもの | |
所得税 | △18,708 | △224,500 | (課税所得 * 0.1) – 97,500円 |
住民税 | △27,417 | △329,005 | 横浜市ホームページにて計算式参照 |
社会保険料 | △55,000 | △660,000 | 11%で計算(参考 公益財団法人 生命保険文化センター) |
手取 | 398,000 | 4,776,000 | 1,000円未満を切り捨て |
所得税率がフリーランスと比べて一階層下がるので、所得税がそれなりに減少しますね。社会保険料は他のサイトと比べて小さめに計算していますが、割合としてはやはり大きいですね。
最後に
おまけ
じゃあ、年商600万円のフリーランスの手取りは、会社員だと年収いくらくらいと一致するんだ?と気になるかと思います。というわけでとっとと回答しちゃいますと、こちらのサイトを見ると、おおよそ500万円前後のラインになるのではないか思います。
なので、この辺の年収ラインの会社員の方は、フリーランスになっても1.2倍くらい稼げれば、目先の収入はさほど変わりません。(赤字大事)
目先の収入は変わりませんが、今回完全に無視している就業不能時の保障とか、老後の保障に大きく影響を与えますので、軽率に判断されることのないようお気を付けください。(厚生年金とか、実は結構大きいかもしれませんよ?)
ほんとに終わり
実は「年収600万円 手取り」で検索する結果より、いくらか手取り年収が高くなってしまっているんですよね。(月1万円くらい)
アバウトすぎる、などはあるかもしれませんが、それこそフリーランスの数だけ税金計算はありますし、税理士免許もないので個々の計算もできません。なので、細かい部分についてはご容赦。
詳しく知りたい方は、最寄りの税務署やお知り合いの税理士さんなどにご相談ください。
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